神奈川歯科大学保護者向けパンフレット2018
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歯科医師の将来性POINT2〝歯と全身の健康を考える医療〟へ進化する歯科医療。今後不足していく歯科医師には、より多くの役割が期待されます。歯科医師国家試験の難易度が上がり、合格者が絞られる傾向なため、新人歯科医師は減少し、一方、歯科医師の世界でも高齢化が進み、60歳以上の割合が高く、今後引退する人が増えることも考えられます。国の調査では2008年には約9万7千名いた歯科医師が、10年後には約7万名になるとの試算も出ています。現在、歯科医師は過剰といわれますが、これから入学するみなさんが卒業し、独立・開業する頃には、不足している可能性が高いと考えられています。日本の子どもたちのむし歯は、年々減少しています。厚生労働省の調査によると、6歳乳歯の一人平均むし歯数は、約25年間でわずか4分の1ほどに。予防意識の高まりや、むし歯になりにくい甘味料の普及などが影響していると思われます。一方、新たにク歯科医師は、女性が多く活躍している職業です。歯科医師国家試験合格者に女性が占める割合は約5割に上ります。歯科医師は男女間の格差が見られず、時間外診療や夜勤がほとんどないなど、女性が働きやすい職種です。優しい語りかけと細やかな気遣いのできる女性は男性よりも歯科医師として適性が高いといえます。特に小児歯科や女性患者さんが多い矯正歯科、審美歯科、丁寧な対応が求められる高齢者歯科などで数多く活躍しています。10年後には歯科医師が不足する状況にむし歯から歯周病へ歯科医師は女性が活躍できる職業06技術偏重だけでは対応できない高齢者歯科の現場ではより高度なスキルが望まれる「東京女子歯科医学講習所」を起源とする神奈川歯科大学は女子学生の育成にも力を入れているTOPICS■ 乳歯の1人平均むし歯数の推移■ 年齢階層別にみた歯科医師(医療施設従事者)の人数と割合*厚生労働省 医師・歯科医師・薬剤師調査2014より注)1993年以前、1999年以降では、それぞれ未処置歯の診断基準が異なる。*厚生労働省:歯科疾患実態調査2016ローズアップされているのが、歯周病です。いまや「国民病」ともいわれています。歯科医院への通院目的を聞いたアンケート調査によると、最も多いのは「むし歯の治療」ですが、この中には、歯周病の治療を同時に行っている人が含まれます。「歯のクリーニング」「定期検診」といった回答も多いことから、歯科医師の役割の変化が見受けられます。最近の研究では、歯周病が糖尿病や心疾患、肺炎、早産など、全身の健康と関連していることが明らかに。これからの歯科医師は、高齢化社会において、「口腔内の健康を守ることで、全身の健康を守る」という重要な役割を担うのです。■■70歳以上60~69歳50~59歳40~49歳30~39歳29歳以下6,5607437,303人15,9372,22218,159人22,3914,40526,796人17,0745,55722,631人12,6276,46719,094人3,9413,0416,982人010,00020,00030,000:男性歯科医師:女性歯科医師若手歯科医師数がリタイアする高齢歯科医師数をカバーできる?10090807060504030201001歳2歳3歳4歳5歳6歳■1993年■1999年■2005年■2011年■2016年(%)

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