館長 髙橋常男

髙橋館長挨拶


私は神奈川歯科大学を卒業(第6期生)し、最終学歴は本学大学院3次元画像解剖学講座教授を勤めました(2015年退職)。この度、2代目館長を拝命いたしました。「随処作主」(禅語)をもって、資料館を介する活動が、医療従事者を志す者、また健康志向の更なる向上を志す者にとっても、医学教育・情操教育として、少しでも貢献できるように尽力する所存です。


神奈川歯科大学は、1910(明治43)年、東京神田猿楽町を建学の地とする東京女子歯科医学教習所に始まり、以来、建学精神を今日まで継承する100年以上の歴史を有する歯科医学教育機関です。


本資料館は、学校法人創立100周年にあたる2010(平成22)年を機に、附属技工士専門学校(廃校)と解剖学実習室がある同建物内2階を内装リフォームして、あらたな教育施設として変容したものです。館内に、ひと足踏み入れると、一見、美術館の如くの様相をもつ独特の空間を感じ取れるでしょう。本学の建学の精神・歴史を学ぶ“歴史資料室”と、人体の構造を等身大で学べる医療を志す者にとっては聖地とも言える“人体標本室”から構成されています。


終わりに、本館を訪れた方々には、刻の重さ、いのちの重さを学び、また感謝の念、明日への意欲・活力を醸成する場となりますことを切に願っております。


神奈川歯科大学

学校法人創立100周年記念資料館
館長 髙橋常男





名誉教授 横地千仭

横地名誉教授挨拶


私が本校に着任したのは昭和41年、未だ学部の学生は居らず、在るのは解剖台と遺体用の保存水槽があるだけ、肝心の遺体は全く無く、初めの数年間は専ら遺体の収集に全精力を集中しました。 以来、昭和61年に定年退職する迄、約20年は解剖図譜の作成と併行して標本展示室の整備に努力、その結果、看護師さんやその他パラメディカル関係の人々が見学に見えるようになりました。


この様な見学用の標本展示施設は他にはあまりない様です(因みに横浜市大医学の標本室は私が作ったものです)。 もし、本学の標本室が医療の周辺を支える人々の教育に多少なりとも役に立ったならば私としては本望ですし、また本学の名を広めるに役立つならばうれしいと思います。


なお、私の退職後20数年間、この標本室の維持・管理に努力された高橋常男教授の努力が無ければ、今頃は消滅していたかもしれません。同教授の尽力に厚く感謝する次第です。


神奈川歯科大学

名誉教授 横地千仭