SPFマウス室利用マニュアル
個別換気ケージシステム導入後の旧無菌室使用方法について
入室方法
感染症発症防止を考慮しているため必ず下記の手順を守って入室する事。
また、SPFマウス室の使用方法の説明を受けていない者は入室出来ない。
飼育室への入室方法は以下の通り。
①施設入口にて白衣を脱ぎ所定の場所にかける。
②長靴に履き替える。
③マスク・グローブを着ける。
④手指消毒機で手指をアルコール消毒する。
⑤退室表に必要事項を記入する。
⑥カードをかざして施設へ入室する。
⑦飼育室前室へ入室。
⑧入室用専用白衣を着る。
⑨前室にて再度アルコールで手指消毒する。
*飼育室前室の殺菌灯は原則として常時点灯させておく。ただし飼育作業もしくは実験などで入室の際は消しても良いが作業後退室時は必ず点灯させておく事。
飼育室内への器具器材の持ち込みについて
- 飼育室に持ち込む全ての器具器材は滅菌または消毒したものしか持ち込めない。滅菌・消毒するのを忘れた場合、飼育室に搬入する前に施設入口にてアルコール噴霧をする。
- 室内にて使用した器具器材を放置しない。連日にかけて使用されるために置いていかれる場合はその旨管理者に伝える。長期間にわたり放置されていた場合、倫理委員会へ報告し対応を検討します。
搬入できる動物
- 搬入可能な動物はSPFグレードのマウスのみ。SPFマウスの中でもヌードマウスとscidマウスなどの免疫系の弱いマウスの搬入を優先とする。
- 他の研究機関のマウスの搬入については倫理委員会にて検討となります。受け入れを検討するにあたり然るべき機関において微生物検査をしていただき、その検査結果を元に搬入許可の是非を判断します。検査の結果たとえ1項目であっても陽性だった場合は受け入れ出来ない。
- トランスジェニックマウス及びノックアウトマウスの搬入については倫理委員会において別途検討する。
- 一度他のマウス室に搬入し飼育していたマウスはたとえSPFマウスであっても個別換気ケージへの移動は出来ない。
- 搬入の手続き方法は規定の搬入手続きをとって下さい。記入事項に不備がある場合は搬入が出来ない事もあるため注意すること。
- ケージ内収容匹数は規定の匹数を厳守すること。(1ケージあたり5~6匹までとする)
- 繁殖・系統維持は行わない。
飼育室内での実験処置について
- 動物に対する全ての処置は室内設置のクリーンベンチ内のみで行うこと。蓋を開けての動物の観察や給餌・ケージ交換なども必ずクリーンベンチ内にて行う。個別換気ケージのためケージ内は清浄な空気を維持しているが、飼育室内の空気は必ずしも清浄とは言えず室内が汚染されていると仮定した場合動物への空気感染を防止するため必ずクリーンベンチを使用すること。
- 室内にはクリーンべンチ以外の作業台もあるが、この作業台を使用しての実験処置は出来ない。
- クリーンベンチ使用の際には必ず排気を行いながら使用すること。
- クリーンベンチ使用後は感染防止のためクリーンベンチ内は勿論の事、床も必ず清掃・消毒を行い清潔な状態にする。
- ゴミは室内の廃棄箱(ミッペール)に入れる。特にシリンジ・注射針などは危険なので床に落としたままにしないよう注意する。
- クリーンベンチ内に器具器材を置いたままにしない。
- マウス・ラット処置室に動物を移動して処置をした場合、処置後にSPFマウス室へは戻す事は出来ない。
- 処置に使用するケージは滅菌済みの処置用ケージを使用する。
- 室内にストックしてある個別換気ケージは絶対に使用しないこと。
- 処置後、無断で動物の収容数を変更しケージを増やさないこと。
ラック及びケージの取り扱いについて
- 給排気装置のタッチパネルには触れないこと。
- ラックは現在設置されている位置より移動させない。
- ラックからケージを取りはずし処置する場合は必ずクリーンべンチにて作業すること。
- 個別換気ケージは付属品も多く形状が複雑なため、作業後それらの付属品を正確にセットしケージの蓋が閉まっているか確認すること。
- ケージをラックに戻す際には必ず奥まで押し込み給排気口に接続すること。給排気口に接続しないとケージ内の給排気が出来ないばかりか、ケージの機密性が高いため動物が窒息死する恐れがあるので注意する。
- ケージをラックに戻す際は必ず元の位置へ戻すこと。
- ケージ本体・蓋・給水瓶にテープの貼り付け、マジックなどで書き込みをしない。
- 搬出により動物のいなくなったケージは洗浄室の所定の場所に出すこと。
- ケージを破損させた場合は必ず管理者に連絡する。
- 洗浄室に置いてある個別換気ケージは未滅菌の場合があるので無断で飼育室に持ち込まない。
- 給水瓶は個別換気ケージ専用のものを使用する。
動物の搬出について
- 飼育室より搬出した動物は再搬入出来ない。
- 搬出の際には処置用ケージに移して搬出すること。
- 個別換気ケージを動物施設外へ持ち出さない。
- 動物搬出の際には他の飼育室と同様に搬出届を提出する。
- 実験期間の厳守。守られない場合は倫理委員会にて対応を検討する。
微生物モニタリング
- 微生物モニタリングの検査を実施とする。
- 検査は実験動物中央研究所に依頼する。
- 飼育室内のモニタリング箇所は2~3箇所とする。
- モニタリング用の動物の購入は飼育管理者より研究支援センターへ依頼する。
- 実験動物中央研究所への検査依頼とモニター動物の引渡しは飼育管理者が行う。
- 倫理委員会に検査結果を報告し感染症の発生が確認された場合は対応を検討する。